IDENTITY三ツ川(みつかわ)

Otera
2019.1.24 モトヤマ ワカナ

お寺が繋ぐ“まち”と”ひと” ~地域コミュニティ再建を目指す二人の住職インタビュー~

突然ですが、あなたにとって「お寺」はどんな存在ですか?お寺が担う地域への役割は何でしょうか?
実は今、お寺がアツい!ここ最近お寺業界では新しいムーブメントが起きています。
そして、その流れは三ツ川の長善寺・法源寺の2つのお寺にも…!

〜お寺紹介〜

今回のお寺インタビューにご協力いただいたのは、我らが三ツ川タウン・名古屋市西区上小田井にある長善寺の住職・蒲池卓巳さんと法源寺の住職・内藤雅孝さんのお二人。

蒲池さんは、自身のお寺で法話を織り交ぜた落語会を主催したり、 2018年のグッドデザインアワードで見事大賞に輝いた”おてらおやつクラブ” の事務局メンバーの一人として活動しています。

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長善寺(真宗大谷派)の住職・蒲池さん

また内藤さんも、写経会や坐禅会といった、昔からあるお寺の教えを気軽に触れることの出来る機会を提供する一方で “お寺婚活” といった新しい角度からのアプローチもされています。

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法源寺(臨済宗妙心寺派) の住職・内藤さん

双方とも、私たちが日頃から抱いているような、少し敷居が高く感じるような凛としたお寺のイメージを覆す面白い試みを行っているのが分かります。

そんな何百年も地域に根差してきたお寺が、なぜ今大きく変わろうとしているのか?その背景には、お寺と地域の関係性に大きな変化が起きた事が関係しているといいます。

という事で、今回は「お寺と地域の関係性」をテーマに、お二人からお話を聞いてきました!

〜進む寺離れ〜

平成になって葬儀会館が出来始めたのを機に、お寺と地域の近しい関係性はガラリと変わってしまったそうです。

なぜならば、【死】を家の中に持ち込まないようになったから。自分たちの日常と【死】というものを切り離して考えるようなり、結果としてお寺も日常生活から遠ざかるようになってしまったのです。

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今や平成30年。一世代変わった事で以前のお寺と地域の関わる形を知らない人が多数派に…!(長善寺)

よくよく思い返してみると、おばあちゃんの家には必ずお仏壇があり、お盆にはお坊さんが来て、お経を読んでいたことを思い出します。しかし、それは私にとって特別なもので日常ではありません。今はまだ「おばあちゃんの家」でお寺との関係を感じる事が出来ていますが、このままでは自分が母親・おばあちゃんになった時には、自分の子どもや孫に「こんな事が昔はあったんだよ」という言い伝えという形でしか残せなくなってしまうかもしれませんね。

「昔は、地域の人がお寺に集まって一緒に炊き出しをする風景や、お寺の境内が中小田井駅に抜ける近道だったこともあり、子どもたちがお寺を抜け道として使う風景が当たり前でした…」と内藤さん(法源寺)は切なそうに語ってくださいました。

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一昔前までは、抜け道として利用されていたという立派な境内のお庭も、今では人の往き来はまばら(法源寺)

さらにお話を聞くと、お寺離れが進んだ結果、お寺の住職さんがいない無住寺院が増えている状況に…。そのため、禅宗では近くの禅宗のお寺さんが掛け持ちで住職をされているというのです。しかも、お寺を専業にして生活できる割合は、全国のお寺の1割という厳しいお寺事情…。

お寺も一般社会と同じく「どう生き残っていくか」という問題があるようです。

〜お寺の抱える課題〜

お二人が感じるお寺の課題は2つ。

まず、お寺は「宗教」という事で、直接的に地域活動に入っていくには少しハードルがあるようです。そして世間の「寺=古臭い」というイメージも相まって「お寺との距離感」が生まれているのではないか、と内藤さん(法源寺)は言います。

そして一方で、お寺に関わる人々は「お寺とはこうでなくてはならない」と自らのイメージを固定化していまい、SNSなどでの情報発信に一歩踏み出せなかったという事情もありました。

蒲池さん(長善寺)も、今となっては様々なイベントをSNSで告知して長善寺で主催していますが、幾度となるトライアンドエラーを繰り返してきた結果の今日なのだとか。

お寺

長善寺・法源寺とも、お寺でのイベントを掲示板に貼り出す、Facebookでイベントページを作る、ブログを配信するといった、現代のネット社会に合わせて新しい情報発信を進んで行なっているそうです。三ツ川のお寺は先進的ですね!!!

正直なところ、お坊さんがスマートフォンを使いこなしているイメージは無く、ましてSNSなどのソーシャルメディアとは縁のないものだと思っていました。しかし、今やお坊さん達が立ち上げるウェブメディアもある時代。

実際のお寺の姿と私達が思い描くお寺の姿にかなり開きがある事が分かりました…!

〜三ツ川のお寺ムーブメント〜

今までは同じ仏教でも、宗派が違えば溝がありバラバラだった仏教界。「でも、これでは良くないよね」と、内藤さん(法源寺)。

「情報共有はこれからの強みになる。共有する事でお互いの良いところ悪い所が見える。共有すればお互い補い、支えあえる」。
お寺の宗派を超えた連携プレーをする風潮になり始めているというのです。

実際に両者のお寺も、法源寺は臨済宗妙心寺派、長善寺は真宗大谷派と宗派はバラバラ。
冒頭にも述べた通り、以前はお互いの交流がほとんど無い状態でした。

しかし、今では3ヶ月に1回のペースでこども食堂が持ち寄りで行われているほど。この子ども食堂では、地域の方々から食材をいただき、幅広い層の人がボランティアで炊き出しをしています。多い時には1回で100人近くの親子がこぞってご飯を食べに来る事も…!

(写真は、ふるさと伝承行事で開催された餅つきの様子)

ボランティアの人達同士の横の繋がりも生まれ、お寺から広がる好循環が生まれている事は、非常に画期的であり、地域行政の人をも唸らせるほどだそうです。

実は筆者も一度、子供食堂のお手伝いに参加させていただきました。
普段通りの生活では繋がり得なかった人々と、この子ども食堂を通じて出会う事が出来ました。お寺に感謝ですね。

しめ縄作りに夢中な子供達…♬(写真は、ふるさと伝承行事で開催されたしめ縄作りの様子)

ぺったんぺったん…これまた親子揃って夢中にお餅をついています!(写真は、ふるさと伝承行事で開催された餅つきの様子)

最近では、お寺の空間を活かして女子高生が某アニメのコスプレ撮影会をお寺の本堂で開催したそうです..!私達の常識を型破りするような一風変わったイベントの場としてもお寺は活用されているんですね。

〜これからのお寺のあり方〜

「何もないところから新しい事をする必要はなく、昔からあるものと出会い方を変えていけばいいのではないでしょうか。そういう目線で、お寺の価値を伝えていきたいです。」
by蒲池さん(長善寺)

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長善寺(真宗大谷派)の住職・蒲池卓巳さん

「亡くなった方を弔うだけの葬式仏教ではいけない、生きている方のテキストでありたいと思っています。」
by内藤さん(法源寺)

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法源寺(臨済宗妙心寺派) の住職・内藤雅孝さん

インタビューを経て、今まで無意識に築いていたお寺への高い敷居は幻想なのかもしれないなぁ、と感じました。

そして今、新たな角度から地域とのつながりを再構築しているお二人の意気込みが実を結び、三ツ川という地域でのお寺の存在感が再び高まってきているように感じます。それはきっと、地域やそこに住む人々の心に再び彩をもたらしてくれるのではないでしょうか。

さぁ、あなたもお寺に駆け込んでみませんか?


 


法源寺
URL:法源寺 公式HP
住所:愛知県名古屋市西区上小田井1丁目269

長善寺
住所:愛知県名古屋市西区上小田井1丁目259

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